Q.成年後見人がついた高齢者の方が、施設に入所するなどして、隣の県などに住所が移ったときはどうなりますか?
奈良県は、ずいぶんと南北に長く、
奈良県の中心地である奈良市は奈良県の北部に位置しています。
車で10分もいけば、京都府に入るほどです。
京都府の南部の方も、京都市内の市街地に行くより、
奈良市の市街地に出た方が便利という方も多いようですね。
ですので、成年後見人の申立時は奈良市に住所があったので、
奈良家庭裁判所に申し立てて成年後見人が就任しており、
奈良家庭裁判所の管轄であったのですが、
成年後見人がついたあとに、
京都府内でよい施設が見つかり入所したという場合が少なからずあります。
施設にもよりますが、
入所したら住所を自宅から施設に移す方もいらっしゃいます。
後見業務が始まると、年に1度の家庭裁判所への報告以外にも
何かと家庭裁判所との連絡が必要になりますので、
どこの家庭裁判所の管轄か、というのは大事なことです。
そのような場合に、
奈良家庭裁判所から京都家庭裁判所に管轄がうつるのでしょうか。
結論は、
管轄が決まるのは、申立てしたときなので、
基本的には奈良家庭裁判所のままではあります。
成年後見人となった方が、
高齢者の方の財産管理や身上監護ができるのであれば、
管轄が隣の県になっても特に問題は生じにくいようです。
ただし、
財産管理や身上監護ができないほど、
遠方の都道府県に住所を移された場合は、
近くの後見人に変えてもらうことを検討し、
管轄を変更してもらう手続きをした方がよさそうです。
