❐ 成年後見制度とは

 2000年4月、介護保険制度と同時に成年後見制度ができました。

 しかし、介護保険制度のように身近ではなく、制度の内容が理解しにくいこともあり、誰に相談してどのように手続きをしたらよいのかもわかりにくくなっています。とはいえ、成年後見制度を必要とされている方は多くいらっしゃいます。

  成年後見制度の利用が身近になるよう、制度をご案内します。

1 成年後見制度

  成年後見制度とは、精神上の障がい(認知症、知的障がい、精神障がい等)によって判断能力が不十分であるために、契約などの法律行為の意思決定が困難な方の能力を補う制度です。

 

 成年後見制度には、ご本人が利用する時点で判断能力が十分か否かによって使う制度がわかれます。

1-1 法定後見制度

 法定後見制度は、後見が必要になった時、すでにご本人が認知症などにより、判断能力が不十分になっているときに利用します。

 

法定後見制度には、判断能力の程度により、さらに3つの類型に分けられます。 

1-1-1 後見

 「精神上の障がいにより、事理を弁識する能力を欠く状況にある者」と民法第7条で定められているように、ご本人の判断能力が全くない場合、つまり、ご自分の行為の結果について合理的な判断ができず、自己の財産を管理・処分することが全くできない状況の方が利用します。

 

 たとえば、日常的な買い物なども自分ではできない場合です。

1-1-2 保佐

 「精神上の障がいにより事理を弁識する能力が著しく不十分である者」と民法第11条で定められているように、ご本人の判断能力が著しく劣っていて、自己の財産を管理・処分するには、常に援助が必要な状況の方が利用します。

 

  たとえば、日常的に必要な買い物はできるが、不動産や自動車の売買、金銭の貸し借りなど、重要な財産管理については、ご自分でできない場合です。

1-1-3 補助

 「精神上の障がいにより事理を弁識する能力が不十分な方」と民法第15条1項で定められているように、ご本人の判断能力が不十分で、自己の財産を処分・管理するには、援助が必要な場合がある状況の方が利用します。

 

  たとえば、日常的に必要な買い物などはでき、また不動産の売買や賃貸借など重要な財産管理も自分でできなくもないが、ご本人のためには誰かがかわりにしてもらった方が良いという場合です。

1-2 任意後見制度

 ただちに後見人が必要ではないけれど、将来ご自分が認知症になったとき、または判断能力が低下してきたときに、後見人として財産管理等を行ってくれる人を、判断能力がしっかりしているうちに、信頼できる人を後見人として決めておくものです。

 ご本人が、契約の意味を理解できるときに、後見人となってくれる人と、公証役場で任意後見契約を締結します。

  ただちに後見人が後見業務を始めるのではなく、将来、ご本人の判断能力が低下してきたときにはじめて、任意後見人となって後見がはじまります。

2 成年後見人がしてくれること

では、成年後見人はどんなことをしてくれるのでしょう。

成年後見人がご本人に代わって、財産に関する法律行為を行います。

大きく分けて「財産管理」と「身上監護」の2つあります。

それぞれご紹介します。

2-1 財産管理

 財産管理とは、財産に関する一切の法律行為を行うことです。

 後見人は、財産の現状を維持し、管理するなど、ご本人のために財産を管理します。 

 たとえば、預貯金の管理、払い戻し、公共料金の支払、年金の受取、不動産の賃貸借契約など重要な財産の管理、遺産分割など相続に関するものなどがあります。

2-2 身上監護

 身上監護とは、日常生活や療養看護に関わる法律行為です。

 たとえば、日用品の買い物、介護サービスの利用契約、要介護認定の申請、福祉関係施設の入所契約や医療契約、病院への入院契約などがあります。

 実際に介護をするのは、ヘルパーさんなどの介護を専門としている方です。

  ヘルパーさんなどが介護をしてくれるように必要な契約や申込みなどをするのが、後見人です。

2-3 その他

 その他にも、ご本人が配偶者などの相続人となっており、相続手続きが必要な場合など、後見人がご本人に代わり相続財産を受け取る手続きを行います。

  実際にも、身近な方に相続が発生したあとに、相続手続きの必要性から、ご本人に後見人をつけることが求められ、後見人の選任をすることがよくあります。

3 最後に

 成年後見制度について、理解が深まりましたでしょうか。

 そういえばあの人も成年後見制度を利用したほうがよいのでは、と思われる方が周りにいらっしゃると思います。

 成年後見制度は、ご本人がお住まいの地域で生活を続けていくために、ご本人の意思を尊重し、ご本人の利益を保護する制度です。

 より身近に感じていただき、使いやすくなれば幸いです。



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 コスモス成年後見サポートセンター奈良県支部の会員は、

  ✔ 奈良県行政書士会に所属する行政書士です。

  ✔ 成年後見やその隣接知識について、全30時間の研修を受講済です。

  ✔ 後見人等に就任したときは、3か月ごとにコスモス本部に業務報告を行い、適正な後見業務を行います。

  ✔ 2年ごとに全10時間の更新研修が義務付けられており、常に研鑽に努めています。

  ✔ 成年後見賠償責任補償制度に加入しています。